全国
奥出雲の山村における文化と技術の継承と振興をはかり、もって日本文化と地域社会の発展に資することを目的とします。
1. 焼畑の技術及び在来作物の研究、調査、記録、実践及びそれらに関する教材、資料の作成
2. 奥出雲地方を中心とした中国地方の民俗文化の調査
3. 森林草原の環境資源の研究と利用技術の開発
4. 奥出雲地方の古民家、建築、景観の保全と活用
5. 焼畑作業の支援及び研修会の実施
6. 民俗文化・伝統農法・地域の食文化に関する地域間及び国際交流
7. 民俗文化・伝統農法・地域の食文化に関する研修旅行の企画及び実施
8. 上記の事業に関する広報、出版、情報交換、相談及び助言
9. 地域の民俗文化の保全に携わる他の諸団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は支援
10. 前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
◉設立経緯
前駆的取り組みとして2015年度からはじまった「竹と山の学校」があります。このプロジェクトの副題は「斐伊川流域圏で考え、動くための連続環境セミナー」。すなわち、荒廃竹林問題を出発点として、斐伊川流域の環境保全と生物多様性について上下流市民がともに学び考え、行動への足がかりをつくることで、自然と人との共生共存関係を築きあげること、その主体を形成していくことが主眼でした。「竹と山の学校」は、特定非営利活動法人さくらおろちによる事業として行ってまいりましたが、事業と組織の整理再編により、2016年度からは、奥出雲山村塾が引き継いで進めることとなりました。
◉主な活動実績
姉妹団体である「森と畑と牛と」、島根大学の学生団体「里山管理研究会」と協同して取り組んでいる「出雲の山墾り〜竹の焼畑」事業は、
◉代表略歴
1966年島根県出雲市斐川町生まれ。中央大学文学部哲学科卒後、書籍編集者としての約20年を経て島根県鹿足郡吉賀町で学校法人の経営再生事業と福祉の町づくり事業に2年携わる。2013年より特定非営利活動法人さくらおろちに奉職し、尾原ダム周辺地域のNPO活動に従事。2016年4月より奥出雲山村塾代表。
2020年現在の重点事業は、出雲の山墾り〜竹の焼畑事業です。
島根大学の里山管理研究会、奥出雲町のダムの見える牧場ならびにグループ「森と畑と牛と」との共働プロジェクトになります。
◉目的
†.人口減少下の中山間地における里山管理の手法を開発すること。
†.失われた伝統農法の再生を通して得られる知見・経験・データを基に、奥出雲発のアグロフォレストリー(農林複合経営)を築き上げること。
†.「教育・研究・市民活動」を入口としてワークショップ・研修会を主催しながら、出口として上記を視野にいれた経営を試行すること。
◉日程
★フィールド活動
1月〜4月:火入れ地整備、準備、伐竹
5月:火入れ、播種
6〜7月:火入れ地整備、火入れ地栽培と植生管理(草刈り、間引き等)、種取り、麦収穫
8月:火入れ、播種
9月〜10月:春作物の収穫、乾燥、脱穀
11月〜12月:脱穀、調製
★調査
随時。特に3月〜5月は重点
【関連する他の活動】
◉在来作物調査(地カブ=年とりカブ・正月カブ/熊子/粟等)
†.島根大学、山形大学、鳥取大学の協力を得ながら実施する。
†.栽培を通じて得られる知見を失われた民俗知と照合することを前提に。
†.地カブの種取りと栽培、ならびに民俗(食利用、祭事等)調査研究。
†.失われた熊子の種子と記憶を探し出し、再生の道を模索する。
◉環境民俗学※指向の各種調査研究活動
†.具体的には住民への聞き書き調査を行う。
†.環境民俗学については鳥越皓之の提唱した枠組みを用いる。生活環境主義をベースとした実践に重きをおきつつ、所有権、使用権、管理権などの権利の諸関係が自然と人とのかかわりの中では大きいという、その関係性を明らかにしていくこと。そのうえで、「環境保全における地域システムの役割を模索する。