NPOとボランティア団体に必要な3つの力

地域課題の解決や地域活性化に向けて、自らのミッション(使命)のもと、市民の協力を得ながら活動を継続させていくためには、「課題解決力」と「共感力」、「組織力」の3つの力が求められます。

  1. NPOやボランティア団体に必要な3つの力源
  2. あなたの『想いをカタチにする』7つのステップ

1.NPOやボランティア団体に必要な3つの力

助成金

①課題解決力

社会的ビジョンと組織のミッションを明確にし、しっかりとした事業計画のもと、地域の課題を解決する力。
NPOのミッションは、地域の課題を解決すること。そのためには、根本原因を分析し、課題そのものを解決することに加えて、問題の発生を予測・予防することも大切です。
自分たちがやりたいことではなく、社会ニーズに応えることが求められています。

②共感力

市民に対し、社会的な課題への気づきや活動への参加の機会を与え、活動に必要な支援の輪をひろげる力。
課題解決の達成感や喜びの機会を提供し、市民の当事者意識を高めるのも大切な役割です。自分たちだけで活動するよりも、多くの市民を巻き込んで活動する方が課題解決力のスピードも増してきます。

③組織力

NPO活動を継続的に進め、革新的な組織をつくる力。
組織力を高めるには、1.組織統治(ガバナンス)、2.多様な収入構造、3.信頼性の向上が必要です。

1.組織統治(ガバナンス)

組織のミッションが会員のみならず、利害関係者(ステークホルダー)にも共有され、組織の全体像が明確になっていることが必要です。 定期的に行う理事会や総会などでミッションを見つめ直し、組織内で共有するよう心がけましょう。

2. リスク回避できる多様な収入構造

一般的にNPOやボランティア団体の資金源は、1.会費、2.寄附金、3.自主事業収益、4.助成金・補助金、5.委託費の5つに分類されます。
委託費や助成金・補助金は一度に入ってくる金額が大きいので調達効率は高いですが、いつ予算を打ち切られるか分からなかったり、助成期間が決められているので安定性に欠ける財源だと言われています。また、使途が制限される場合が多いため自由度が低い財源です。
一方、会費や寄附金は会員や寄附者一人あたりの金額が小さいので調達効率は低いですが、継続性が高いため安定していて、自由度も高く使いやすい資金源であると言えます。また、会員や寄附者はお金以外にも、ボランティアなど別の形での支援も期待できます。調達効率が悪いからと言って決して無視できないのが会費や寄附金です。
そして、安定的な資金源を確保するためには、自主事業収益を高めることも重要です。地域の課題解決や地域資源を活かした地域活性化のため、ビジネス的手法を用いて収益を確保しながら事業を継続させるコミュニティビジネスやソーシャルビジネスもその一例です。しかし、受益者から収益を確保できる事業ばかりとは限りません。
したがって、活動の継続性を高めるためには、5つの資金源をバランスよく確保し、安定的な組織運営を心がけましょう。

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3.信頼性の向上

NPO活動を続けていく上で、協力を得たり、仲間を増やしたりするのに、信頼性を高めることは重要な要素です。いい活動をしているからといって、直ちに認められるわけではありません。 信頼性を高めるためには、日々の情報発信が不可欠です。ホームページやブログによる情報発信も効果的ですが、更新しないとかえって「この団体は活動をしていないな」と勘違いされる場合もあります。こまめな更新を心がけましょう。
また、会計の透明性を高めることも重要で、NPO法人においては、2010年にNPO法人会計基準が策定されました。ぜひ導入しましょう。




2.あなたの『想いをカタチにする』7つのステップ

しっかりとした事業計画を立てるためにも、想いを伝え共感を得るためにも、まずは、あなたの『想い』を整理してみましょう。

ステップ1 地域社会の中で、あなたの気になる課題は?

社会全体の大きな課題から、日常の身近な課題までいくつか書き出しましょう。





ステップ2 その課題の根本原因は?

課題には必ず、根本原因があるはず。なぜその問題が起きているのか書き出しましょう。





ステップ3 その課題が解決すると、どんな素晴らしい世界が待っていますか?

どんな世の中にしたいのか社会的なビジョンを描いてみましょう。





ステップ4 課題解決のために、あなたができることは?

あなたの気になる課題の根本原因を解決するための具体策を書き出しましょう。

事業計画に必要な「5W2H」のうちWhy(なぜ)は、ステップ1~3で描きましたので、残りの When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、How(どのように)、How much(いくら)を具体的に考えてきましょう。

When(いつ)




Where(どこで)




Who(誰が)




What(何を)




How(どのように)




How much(いくら必要か)





ステップ5 課題解決のために、誰を巻き込む?

課題解決のスピードを上げるには多くの人を巻き込むことが重要です。まずは、あなたのまわりの利害関係者を洗い出しましょう。あなたからパートナーへ、パートナーから多くの方へ、気づきの連鎖が広がる様子をイメージしましょう。





ステップ6 あなたの強み・弱みは?

あなたの強みと弱み(自己分析)に加えて、機会と脅威(外部環境)も分析してみましょう。

強み(どのように強みを活かすか?)




弱み(どのように弱みを克服するか?)




機会(どのように機会を活かすか?)




脅威(どのように脅威を克服するか?)





ステップ7 あなたが、あきらめられない理由は?

壁にぶつかった時、苦しい時、あきらめられない理由があれば、必ず乗り越えられる!また、こうした理由が他人を巻き込むときの説得力にもつながります。





あなたの「想い」を「カタチ」にする準備が整いました。次は行動あるのみ!
はじめの一歩を踏みだしましょう。