チャレンジNo,6ダム湖の魅力をアピール、地域活性化を目指す

尾原ダム地域づくり推進連絡協議会

雲南市を示した島根県の地図

チャレンジナンバー6の見出しロゴ画像

チャレンジナンバー6のメイン画像、ダム湖周辺のサイクリングコースを走る参加者。毎年、県内外から多くの参加がある

「尾原ダム地域づくり推進連絡協議会」

ダム完成後、周辺住民が行政の垣根を越えて結束し、周辺に出来た施設を活用して地域に活力を呼び戻す事業を企画・実施する。ダム湖一帯の景観と釣りスポット整備、地域伝統文化の継承、活動PR(インターネット、CATV)の3事業を展開しながら、「さくらおろち湖」の魅力をアピール。交流人口の拡大、地域のにぎわいづくりを推進する核として活動している。

景観整備、施設活用、賑わい創出事業を推進

斐伊川神戸川治水事業の一環で、治水、環境、上水道供給を目的に2012年春に完成した尾原ダム。「さくらおろち湖」の名称で親しまれ、周囲の山々と一体となった美しい風景を醸し出している。

ダム湖周辺には全国規模の大会が開催できる本格的なボート競技施設、自転車の競技コースをはじめ宿泊施設、登山道、展望広場などが完成。今後、ホースセラピー施設も建設予定。近隣の日帰り温泉施設「佐白温泉長者の湯」や、道の駅「おろちの里」などと連携し、過疎化の進む地域の活性化が期待されている。

その推進役として2010年に設立されたのが国、県、雲南市および奥出雲町、住民団体などで構成する尾原ダム地域づくり推進連絡協議会。同時期に発足した「さくらおろち」「奥出雲布勢の郷」の2つのNPO法人も加わり“実働役”として活躍している。

新しい公共の場づくりのためのモデル事業に指定された2011、2012年の2年間、各競技団体と協力してボートや自転車、カヌー、ウオーキング、トレイルラン、屋外イベントなどを開催。今後はトライアスロン、マラソン大会も計画されている。また、釣りスポットを整備し、ワカサギの放流も継続して実施。各団体や企業の協力で、ごみ拾い、草刈りなど景観美化活動にも取り組んでいる。

一方、地域の伝統文化を継承するため、神楽の映像記録保存やヤマタノオロチ伝説ゆかりの地を巡るツアーを開催。また、地域外から参加者を募り、「食べごと塾」やそば打ち交流会を企画運営するなど豊かな食をアピール。幅広い交流人口の呼び込みに力を入れている。

発足当初は、事業の趣旨や内容の周知が不十分で、住民の理解が今一つだったが、自治会単位の説明会等を通じて次第に協力体制が整った。また、大会参加を機に、練習などでリピーターも増加。交流人口は初年度5千人だったが、翌年には約2万人に増えた。会員らは「この地域のファンを増やし、交流人口、そして定住者の増加につなげたい」と力を込める。

作業を終え一息つく会員ワカサギの孵化に備え、準備する会員尾原ダム・さくらおろち湖祭りで、特産物を販売する速水雄一雲南市長(右)ら

 (写真左:作業を終え一息つく会員、写真中央:ワカサギの孵化に備え、準備する会員、写真右:尾原ダム・さくらおろち湖祭りで、特産物を販売する速水雄一雲南市長(右)ら)

メンバーから一言

課題解決に取り組む参加団体の図

土山幸延さんの写真

POINT:利用者を増やし、自立した経済活動につなげたい

施設活用では、現在は大会や催しの集客がメーンだが、日常的な利用者を増やしていくことが課題。ボランティアには限界があり、自立した経済活動につながってこそ息の長い活動になる。食の企画が縁で、松江市内のレストランと野菜の契約栽培が決まった農家もあり、今後もさまざまな形で応援していきたい。行政と民間が力を合わせ、50年後、100年後も地域が存在できるように努めたい。
土山 幸延さん

【主な活動】

地域の賑わいを創造するエンジン役

  • 景観整備
    • ダム建設事業者や地元住民によるごみ拾い、登山道の除草による景観美化整備
    • ワカサギの放流、湖面を利用した釣りスポットの整備
  • 地域伝統文化の継承
    • ガイド機能の充実を目的とした、住民参加による文化講演会の開催および現地調査
    • 子どもたちによる神楽公演の記録保存、フェスティバルの開催
  • ダム湖周辺活動のPR
    • 「さくらおろち湖」周辺地域の情報(魅力)を一元化した情報ツール制作
    • CATⅤネットワークを活用した県全域への広報
    • インターネット上での動画配信

【問い合わせ先】

〒699-1342 雲南市木次町平田779-1
(温泉高齢者活動促進施設内)
電話番号:(0854)48-0729

事業の成果と課題

本事業の成果と課題についての詳細ページへ