チャレンジNo,5「高齢者も若者も、住みやすい街」の実現願う

ごようきき三河屋プロジェクト協議会

松江市を示した島根県の地図

チャレンジナンバー5の見出しロゴ画像

チャレンジナンバー5のメイン画像、高齢者宅へ注文の弁当を届けた折に「日記」を交換する配達スタッフ

ごようきき「三河屋」配達者の写真

「ごようきき三河屋プロジェクト協議会」

独居高齢者ら、日常の買い物や調理に不便を感じている人たちの支援、地元中小零細小売店の活性化を目的に活動。松江市内を巡回する個別宅配事業者や地元スーパー、専門店、行政(市役所、消防署、社会福祉協議会等)、NPO、自治会、介護・医療事業者等が連携し、生鮮食料品、身の回り品の買い物や配食サービスに併せ、定期的な見守りによる安否確認や相談取り次ぎ等を行い、利用者の安心安全な生活の確保に努めている。

買い物支援に併せ、定期的な見守り実施

大きなカバの絵がトレードマークの配達車が、玄関前に止まる。「こんにちはー」という配達スタッフの元気の良い呼び掛けに、中からにっこりと顔をのぞかせる。時間の許す限り会話を交わしながら、注文の弁当と、利用者とスタッフの「交換日記」を渡し、次の配達先へ向かう。

高齢や障がい等で買い物に行くことが難しい人に、注文の商品を届ける。食料品や日用の身の回り品に加え、治療用の食事もある弁当、さらに出張散髪など、カタログの商品は多種多様。松江市全域から電話やネット、ごようききで注文を受け、手数料1件210円でサービスしている。

以前から在宅高齢者への配食サービス事業を手掛けていた野津積会長は、高齢化が急速に進み、地域が疲弊していく現実に危機感を募らせていた。東日本大震災の被災現場を目の当たりにして、その思いは一層強くなり、地域で活動するきっかけをつくろうと、関係団体に声掛けして協議会を立ち上げた。

当初は、スタッフが訪問して説明しようとして「門前払い」されたケースもあったが、市などと連携して地区の民生児童委員、福祉推進員の協力を得、知名度がアップ。利用が飛躍的に伸びた。現在は約300人が利用、多い時は1日30件以上の注文がある。

配達の折に「3分100円で何でも手伝います」と呼び掛けると、「書類の細かい字を読んで」「お墓の掃除をしてほしい」など、普段は気が付かない、ちょっとした困りごとが多く浮かび上がってきた。利用者には一人住まいの高齢者も多いが、配達時に定期的に顔を合わせれば安否確認ができ、体調の変化や気持ちの浮き沈みなどもキャッチできる。同協議会は「こうした情報の活用こそが今後の課題」とし、さらに協力店を増やす予定だ。また予防医療の分野で島根大学医学部、松江市健康福祉部との共同研究も始めた。

「30年後の地域を想像し、今やるべきことを皆で考え、トライ&エラーで実践しよう」と野津会長。高齢者にも、若者にも住みやすい町づくりを強く願っている。

協議会のメンバー多様な商品が並ぶ三河屋のカタログカバの絵が目印の「ごようきき 三河屋」の配達車

 (写真左:協議会のメンバー、写真中央:多様な商品が並ぶ三河屋のカタログ、写真右:カバの絵が目印の「ごようきき 三河屋」の配達車)

メンバーから一言

課題解決に取り組む参加団体の図

玉木朋香さんの写真

POINT:顔を見て話し掛け、要望に応えたい

配達時に、お客さんの顔をしっかり見るよう心掛けています。急いでいて難しい時もありますが、一言でも話すようにしています。自宅にこもりがちな高齢者の方が、気軽に外へ出て季節を肌で感じ、おしゃべりができる機会をつくりたい。「御用聞き」として何でもやりますので、気軽に声を掛けてください。
玉木 朋香さん

【主な活動】

弱者の視線で、新たなサービス改善

  • CM作成、放送(山陰CATV)
  • 商品カタログ、広報チラシ作成
  • 共同受付コールセンターの設置、共同仕入れ、共同配達の仕組み構築、見守り体制の確立
  • 目に障がいのある人に対するメルマガ発信、商品カタログ等の音声認識変換

【問い合わせ先】

〒690-0012 松江市古志原5-2-43(NPO法人まちづくりネットワーク島根事務局)
電話番号:(0852)20-1821

事業の成果と課題

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