チャレンジNo,3「島基準」を作り、島まるごとで事業展開

海士町ソフトパワー創出推進協議会

海士町を示した島根県の地図

チャレンジナンバー3の見出しロゴ画像

チャレンジナンバー3のメイン画像、島を訪れた団体観光客のガイドを務める会員

協議会のメンバー

「海士町ソフトパワー創出推進協議会」

観光外需の開拓と地域資源の掘り起こしを主眼に、「島基準」による島ならではの人材育成を、島まるごとで事業展開する。これにより、多様な当事者の協働と共創により「新しい公共の場」を推進するソフトパワーを創出し、高齢化が進む島内事業者の後継的人材育成を進め、地域の活性化を目指す。また、人のつながりを重視した「島ファン」を確保し、観光振興に戦略的に取り組む。

観光外需の開拓と、地域資源掘り起こしで人材育成

高齢化の進行に伴う後継者不足などで、企業として成り立たなくなった旅館や交通機関などの観光関連施設に、サポートのための人材を派遣して雇用を生み出すとともに、島を訪れる客に満足してもらうサービスを提供してきた活動が実を結び、リピーターを含め、町を訪れる観光客が年々増えている。

同協議会は、島の観光施設経営者の高齢化、後継者不足、若年層の減少などで、一部業務を外部に委託している現状を憂い、打開し解決するにはどうすればよいか―を真剣に協議。全員が意見を出し合った結果、「マンパワーを生かした活動」を行うことで一致。UIターン者を含む人材を、要望のあった施設に派遣するとともに、観光の質を高めることに苦労しながら、島の観光事業を育てる柱としている。

活動にあたり、▽観光客の視点に立つ▽もてなしの基準を共有するため独自の「島基準」を設け、連携してサービスの改善を図る▽各売り場を「島のデパート」と位置づけ、担当スタッフをフロアマネジャーとして責任を明確にする―などを取り決めた。これらの実施によって、よりきめ細かいサービスを追求。近年、売り上げがアップしているという。

また、観光バスや海中展望船「あまんぼう」などのガイド役を務め、町内のイベントなどを紙芝居風に仕立てて分かりやすく紹介している。また、昨年から試験的に「あまんぼう」のナイトクルージングも実施。町を訪れる観光客に、出迎えから出発まで関わることで親しみを持ってもらうと同時に、最も重要な「安心」を提供している。

同協議会では「まだまだ観光で発展する余地はある」として、島で活動してみたいと思っている人材を全国から公募する、としている。

海中展望船「あまんぼう」船内で町のイベントを紙芝居風に紹介する会員会議で意見交換する会員ら

 (写真左:海中展望船「あまんぼう」、写真中央:船内で町のイベントを紙芝居風に紹介する会員、写真右:会議で意見交換する会員ら)

メンバーから一言

課題解決に取り組む参加団体の図

青山富寿生さんの写真

POINT:資源を生かし、個人客にシフトした観光模索

これからは団体から個人客にシフトした観光を模索する時代。島の資源を生かしながら、どう変わるべきか考えていきたい。都会地の人たちに島のパンフレットを配布するのも外部委託でなく、自ら一人ひとりに心を込めて配る。利益を生みだす活動を継続させるため、町観光協会を一般社団法人化した。
青山  富寿生さん

【主な活動】

磨き上げる仕組みで後継者育成を図る

◆島基準の策定および実践

顧客中心主義に基づく「島基準」の策定

◆地域通貨社会実験

地域通貨の域内循環ツールを積極的に活用した仕組みの構築

◆観光協会の法人化

一般社団法人海士町観光協会を設立。効果的な中間支援組織として、また島の販売促進企業体として、島のソフトパワーの付加価値を高める事業に継続して取り組む

【問い合わせ先】

〒684-0404 隠岐郡海士町福井1365-5(キンニャモニャセンター内)
電話番号:(08514)2-0017

事業の成果と課題

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