チャレンジNo,2NPOの専門性を生かし、地域課題の解決図る

益田市市民活動推進協議会

益田市を示した島根県の地図

チャレンジナンバー2の見出しロゴ画像

チャレンジナンバー2のメイン画像、市内で収穫された野菜で作った給食をおいしそうに食べる吉田保育所の園児たち

 

「益田市市民活動推進協議会」

地域が抱えている課題を、NPOや社会福祉法人など特定分野の専門的な知識を持つ「テーマコミュニティ」と、地区振興センターや自治会等でつくる「エリアコミュニティ」の2つの側面からとらえ、両者の融合による地域課題解決のための新しい支え合いの仕組みを構築。これにより、これまで地域だけでは解決が困難だった課題をスムーズに解決へ導く手法をつくる。

給食事業や森の学習で、新しい支え合いを構築

給食の配膳をする保育所の園児たち

吉田保育所(水分町)では、昼食時間になると、同市内の山間部にある真砂(まさご)地区から送られてきた野菜をふんだんに使った料理が並ぶ。6月末のある日は、旬を迎えたトマト、レタス、キュウリのあえ物などが食卓を彩り、園児たちは「野菜がおいしい」と郷里の野菜を口いっぱいにほおばった。

同市では中山間地域を中心に、少子高齢化が加速度的に進んでおり、地域だけで課題を解決するには、マンパワーや専門知識が不足するケースが出ている。

地域が抱える課題に、専門性を持つNPO法人や任意団体が連携してアプローチするために組織したのが「市民活動推進協議会」。吉田保育所など4保育園の給食に、真砂地区で収穫した野菜を使うのも、同協議会に所属する市保育研究会が取り組んでいる「地産地消の保育所給食事業」の一環だ。

保育園給食では、中山間地域で地元の住民が栽培した少量多品目の野菜を購入することで、住民の所得向上につながった上、保育園児たちが地元野菜を使った料理を味わえるようになった。

このほか、NPO法人アンダンテ21が主体となり、真砂地区の人工林で、森林の状況を学ぶ「森に入ろうプログラム」や、NPO法人コアラッチによる、再生可能エネルギーの可能性を考える勉強会など、活動は多彩。

ただ、同協議会には異なる分野で活動するさまざまな団体が加盟しており、これらの組織の意識共有、情報伝達が困難なこともある。このため、各NPO、団体をつなぐ横の連携強化が今後の課題となる。杉原幸江事務局長は「各団体の持つ良い面を引き出し、うまく融合させながら、地域課題の解決に向け、活動そのものにもっと広がりを持たせたい」と強調する。

市内の森に生息する植物を調査する小学生を案内する会員和やかに話し合う会員市内の森で子どもたちに説明する会員ら

 (写真左:市内の森に生息する植物を調査する小学生を案内する会員、写真中央:和やかに話し合う会員、写真右:市内の森で子どもたちに説明する会員ら)

メンバーから一言

課題解決に取り組む参加団体の図

吉田篤志さんの写真

POINT:「民」の力を引き出し、中山間地域を元気に

益田市市民活動推進協議会は、中山間地域が抱える課題を解決するための、いわば「仲人」役だ。NPO法人や任意団体など「民」の力が強くなれば、地域全体の力につながると思っている。協議会に所属する各グループが、専門性を生かし、少子高齢化が進む中山間地域が元気になるよう応援していきたい。 
吉田  篤志さん

【主な活動】

融合による地域課題解決へ支え合い

エリアコミュニティ支援事業

  • 地産地消の保育所給食事業(益田市保育研究会)
  • 健康な森づくり推進事業「森に入ろうプログラム」(NPO法人アンダンテ21)
  • 再生可能エネルギーで自給率100%を目指す「みんなでエネルギーシフト」(NPO法人コアラッチ)
  • 市民の力、新しいつながりで「地域の宝を守ろう」事業

組織基盤強化事業

市民活動支援センターを益田市と協設協営で行うとともに、推進協議会からサポートスタッフを配置することにより、テーマコミュニティとエリアコミュニティのマッチングやコーディネート(地区振興センターと連携)、事業の直接的な手助け、団体相互の情報交換・共有を図る

【問い合わせ先】

〒698-0033 益田市元町11-26
(益田市市民学習センター内)
電話番号:(0856)31-0600

事業の成果と課題

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