新しい公共島根県運営委員会による評価

1.全体評価

・2年間の新しい公共支援事業の取り組みが終了した。この事業の考え方は、これまで本県で進めてきた取り組み方針の延長線上にあり、その取り組みを加速させるものであった点で非常に意味のある事業であった。

・当初設定していた成果目標については、今後事業効果が現れてくるものもあるが、概ね目標に到達している。

・H25年度は、この2年間実施した事業の検証、成果のとりまとめを行うと共に、県民に広く広報していかなければならない。

 

2.各事業の評価

(1)活動基盤整備事業

1、NPO法人会計基準普及講座等、NPOの活動基盤整備のための支援講座

概ね計画通りに事業実施できた。会計基準普及事業においてはH24.4のNPO法改正に対応するため、定款変更や認定NPOに関する事業を急遽内容に組み込む等、タイムリーに実施できた。

2、寄附等に関する事業

・寄附等に関する事業では、研究会を設置し、何度も議論を重ねた上で、「県民いきいき活動の普及」「しまね社会貢献基金のPR」という方向性を定め、ロゴマーク及びキャッチフレーズの制作、キャンペーンの実施等、様々な事業を展開した。

・実施した事業の中で、特にロゴマーク&キャッチフレーズ制作事業では応募点数が1,000点を超えたこと、またしまね社会貢献基金への寄附額自体は微増であったが基金のサポーター企業が4社誕生したことなど、キャンペーン等による広報の成果の現れであり、今後の広がりが期待される。

3、フォーラム事業

・事業初年度であるH23年度は、時宜を得たテーマ(新しい公共、震災支援、NPO法改正等)を取り上げ、それぞれについて議論を深めることができた。

・平成24年度に実施した「いいこと いっしょに いきいきフェスタ2012」は、一過性のイベントに終わらせないために、出展するNPOや企業に対して事前研修や振り返り研修を実施するなどの工夫を行った。また近年、社会貢献関係のイベントとしては最大となる1,800名の参加者があり、たくさんの人に県民いきいき活動のPRができた。

4、各種ソフトウェア開発事業(HP制作、会計基準支援ソフト開発、NPO支援データベース制作)

H23年度はソフトウェアの内容検討を行い、実際に制作に取りかかったのがH24年度途中からとなり、完成は年度末となった。H25年度以降これらのツールが有効に活用されていくことを期待したい。

5、地域別いきいき活動支援ネットワークづくり事業

この事業は、島根県独自に取り組んだ事業として、中間支援的役割を果たす団体の育成を目的に実施した。様々な取り組みが実施され、ネットワークの拡大・深化に一定の成果があった。しかし、一方で事業構築方法の難しさや、ネットワークそのものの拡大・深化の難しさが明らかとなり、今後さらに検討していく必要がある。

 (2)新しい公共の場づくりのためモデル事業

・東日本大震災発生の直後の混乱期の中、H23.4に震災支援に関する事業をいち早く採択し、事業を開始した。

・全8事業が採択され、それぞれの事業で概ね計画されていた取り組みが行われ、様々な成果(成功・失敗事例)があった。

・今回、2者間の協働ではなく、多様な主体が連携する協働に取り組み、関係者の間でその意義、必要性等の認識が深まった。

・ただ、マルチステークホルダープロセスによる効果的な事業推進ができたか、また事業の継続性(人の継続雇用も含む。)はどうだったか、という観点からみると、十分な成果が得られたとはいえない。 

3.今後の課題

・新しい公共支援事業の取り組みは、これまで本県で進めてきた県民いきいき活動促進の取り組みの延長線上にあり、この2年間の取り組みを、今後の県民いきいき活動促進の取り組みにしっかり引き継ぎ、着実にステップアップしていくことが大切。

・そのためにも、H25年度にしっかり事業検証を行い、課題等をまとめていくことが必要。