法人設立・事業運営についてのQ&A

質問

■ Q1
NPO法人の主たる事務所の移転に伴って、どのような手続きが発生しますか?

■ Q2
NPO法人の支部は定款に明記していませんが、設置は可能でしょうか?

■ Q3
任意団体がNPO法人を設立し、任意団体の財産をNPO法人へ移転(譲渡)する際にどのようなことに注意したらいいのでしょうか?

■ Q4
NPO法人は他の団体に寄附をすることが可能でしょうか?

■ Q5
NPO法人と、一般社団法人では、どのような違いがありますか?

■ Q6
NPO法人の総会において社員は、表決を、書面や、電磁的方法で行うことはできますか?

■ Q7
NPO法人が、WEB会議やテレビ会議による総会を行うときの注意点はありますか?

■ Q8
NPO法人の合併と、事業譲渡との違いについて教えてください。

■ Q9
NPO法人の定款等に記載のある会員とは、何ですか?

■ Q10
NPO法人の施設管理等の受託事業は、収益事業のうち「請負業」に該当しますか?

■ Q11
NPO法人が有償で事務代行を行うことに問題は無いでしょうか?

■ Q12
NPO法人が土地・建物を取得する際に注意することはありますか?

■ Q13
NPO法人が出資して会社をつくることは可能でしょうか? 

■ Q14
NPO法人が毎事業年度後に一回、所轄庁に提出する会計関連書類の確認ポイントはありますか?

■ Q15
NPO法人が、そのNPO法人の役員が経営する会社等と取引を行う場合の制限はありますか?

■ Q16
NPO法人会計基準における財務諸表の注記には、何を記入すれば良いですか?

■ Q17
NPO法人が定款を変更する場合の届出と認証の違いについて教えてください。

■ Q18
登記事項証明書とは何ですか?

■ Q19
NPO法人の活動が休眠状態にあるのですが、どうすれば良いでしょうか?

■ Q20
社員総会の決議の省略とは、どのような場合に行うべきものでしょうか?

■ Q21
NPO法人の総会には、出席者全員がひとつの会場に集合しなければならないのでしょうか?

■ Q22
NPO法人の総会を代議員のみの出席で開催することは可能でしょうか?

■ Q23
WEBツールを使用したNPO法人の総会などの開催時の議事録作成方法を教えてください。

■ Q24
NPO法人の代表権を理事長など特定の理事に制限するのはなぜですか?

■ Q25
NPO法人の理事の改選において、事務局長が役員となることに問題はないでしょうか?

■ Q26
NPO法人の総会前に役員の任期が切れてしまう場合、どのような対処をすべきでしょうか?

■ Q27
定款に「役員は、辞任又は任期満了後においても、後任者が就任するまでは、その職務を行わなければならない」という規定がある場合、後任役員が就任されるまでは、辞任できないのでしょうか?

■ Q28
NPO法人の理事の任期と再任について把握しておらず、4期分の理事再任について手続きしていませんでした。どのように対処すればよいでしょうか?

■ Q29
NPO法人の理事長が任期中に辞任することはできますか?

■ Q30
NPO法人が認定または特例認定を受けた場合に、法人の名称変更は必要ですか?

■ Q31
認定NPO法人になるための条件はありますか?また、どのような流れになりますか?

■ Q32
認定NPO法人の税制優遇とはどのようなものですか?

■ Q33
NPO法人が解散する時、どのような手続きが発生しますか?

■ Q34
NPO法人の解散時に財産を譲渡できる先はどこですか?

 

回答

■ Q1
NPO法人の主たる事務所の移転に伴って、どのような手続きが発生しますか?

■ A1
総会での議決の後、所轄庁へ届け出を行い、変更登記を行う必要があります。
*所轄庁への届け出については、島根県発行の「NPO法人設立・運営の手引き」以下をご覧ください。
https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/nonprofit/npo/tebiki/
*変更登記についての詳細は以下のP.66~67をご覧ください。
NPO虎の巻ダウンロード

 

■ Q2
NPO法人の支部は定款に明記していませんが、設置は可能でしょうか?

■ A2
支部を設置することは定款の記載の有無に関係なく任意です。ただしその支部の拠点が次の要件にすべて当てはまる場合には、その他の事務所(従たる事務所)として定款に記載し、登記をしなければなりません。
その場合、以下の要件を満たす必要があります。                                                                                                                                               ①法人の事業活動が行われている一定の場所である
②少なくとも業務執行権を持つ理事が責任者として常駐する場所である
③継続的に業務が行われている

 

■ Q3
任意団体がNPO法人を設立し、任意団体の財産をNPO法人へ移転(譲渡)する際にどのようなことに注意したらいいのでしょうか?

■ A3
任意団体からNPO法人へその財産を移転(譲渡)するとその財産は、公益目的である特定非営利活動に使用されるための財産となります。
ですから法人が解散する際の残余財産の譲渡先は、公益を目的とする法人等に限定されます(NPO法11条3)。
法人の構成員が同じ活動を任意団体や一般社団法人で継続したいと考えても法人の財産をそれらの団体には、譲渡できません。
任意団体からNPO法人へ財産を移転することは、慎重に検討しましょう。

 

■ Q4
NPO法人は他の団体に寄附をすることが可能でしょうか?

■ A4
NPO 法には寄附に関する規定はありませんから、寄附という行為が禁じられているわけではありません。
ただし、寄附することが、定款で定められた目的や特定非営利活動に係る事業に反しないかどうかを検討する必要があります。
また、NPO法第3条は、「特定非営利活動法人は、特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、その事業を行ってはならない。」と規定していますので、寄附することが「特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的」としているかどうかが問題になる可能性があります。社会貢献活動を行うNPO法人等の活動を助成することを目的及び事業とするNPO法人が、他のNPO法人等が行う社会貢献活動を助成するための寄附をするような場合は、NPO法第3条に違反しないと考えられます。
なお解散を視野に入れて残余財産を減らす目的で他の団体へ財産を移す寄附は、NPO法の脱法行為となります。

 

■ Q5
NPO法人と、一般社団法人では、どのような違いがありますか?

■ A5
別表の法人比較表をご参照ください。
NPO法人設立・運営の手引き
1.NPO法の概要 <15ページ>
https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/nonprofit/npo/tebiki/index.data/11_gaiyou.pdf

 

■ Q6
NPO法人の総会において社員は、表決を、書面や、電磁的方法で行うことはできますか?

■ A6
「書面による表決」はNPO法第14条の7に規定されており、行うことができます。
「電磁的方法による表決」については、定款の総会(表決権等)の条項で定めている必要がありますので、記載のある場合に限り、可能です。
また理事会についてNPO法には、全く規定がありませんので書面決議や電磁的方法で行うことは可能です。
 

■ Q7
NPO法人が、WEB会議やテレビ会議による総会を行うときの注意点はありますか?

■ A7
WEB会議・テレビ会議による社員総会については、役員のみならず、社員(正会員)も発言したいときは自由に発言できるようなマイク等が準備され、その発言を他者や他の会場にも即時に伝えることができるような情報伝達の双方向性、即時性のある設備・環境が整っていることが必要です。

 

■ Q8
NPO法人の合併と、事業譲渡との違いについて教えてください。

■ A8
NPO法第33条では「他のNPO法人と合併することができる」との記載があります。これによりNPO法人は、NPO法人以外とは合併できないと読み取れます。合併の形式には、吸収合併と新設合併の2通りがあります。
A法人とB法人が合併する場合を例にとると、吸収合併では、A法人がB法人を吸収して存続し、B法人は、消滅(解散)します。新設合併では、A法人B法人共に消滅し(解散)、新たにC法人を設立するということです。いずれの場合でも 存続する法人が消滅した法人の一切の権利義務を継承します(NPO法第38条)。合併には、所轄庁の認証が必要です。またその上にそれぞれの債権者に対し、合併に異議があれば一定の期間内に述べるべきことを公告し、かつ、判明している債権者に対しては、各別にこれを催告しなければなりません。
一方、事業譲渡では、譲渡する側が全ての事業を渡す場合と一部のみ渡すことを選択でき、契約(事業譲渡契約書)で自由に決めることができます。事業譲渡では、合併とは違い、譲渡側の資産や債権及び債務を包括的 に譲渡することはできません 。譲渡する資産の選別、債権債務関係、職員の雇用関係等 契約内容を個別具体的に記載し、当事者同士で決めることが必要です。
違いをまとめると、合併は一切の権利義務が存続法人に移り、事業譲渡は譲渡の内容を取捨選択できるということです。

 

■ Q9
NPO法人の定款等に記載のある会員とは、何ですか?

■ A9
NPO法人の構成員のことを、NPO法上は「社員」と呼びます。社員という言葉は一般的には、会社の従業員という意味で使われていますのでNPO法上の「社員」もこれと混同されることが多く、定款例では便宜的に一般的な会の構成員である「会員」という言葉を使います。
会員の種類が複数ある場合に「正会員をもって特定非営利活動促進法( 以下「 法」 という。) 上の社員とする」という一文を入れ「正会員=社員」であることを明らかにします。「正会員」とは、総会の決議権を持つ会員であり、「賛助会員」など、総会の決議権を持たない会員とは、区別します。

 

■ Q10
NPO法人の施設管理等の受託事業は、収益事業のうち「請負業」に該当しますか?

■ A10
法人税法上の請負業は民法で規定される請負業よりも広く解され、委任契約や準委任契約も含まれますので、施設の管理受託業務は法人税法上の請負業に該当すると判定される可能性があります。
収益事業に該当するか否かは契約書の内容によります。
委託金額が実際の支出額より低い場合、あるいは委託業務に要した経費が委託料の額に満たないときは差額を返還するといった実費精算の定めがあり、かつ税務署長の確認を受けた場合には収益事業には該当しません。そうでなければ、請負業として収益事業に該当することになります。


■ Q11
NPO法人が有償で事務代行を行うことに問題は無いでしょうか?

■ A11
NPO法人が事務代行を行う場合は、行政書士法や司法書士法等各専門士業の業務の制限に抵触するおそれがあります。各専門士業別の業務制限は以下の通りで、無資格者が下記の業務を行うことは法律で禁じられており、制限に違反した場合には刑事罰が科される可能性がありますので十分注意すべきです。
〈各専門士業別の業務制限〉
・行政書士:他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を作成すること。
・司法書士:他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うこと。
一 登記又は供託に関する手続について代理すること。
二 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録を作成すること。
・税理士:他人の求めに応じ、租税に関し、次に掲げる事務を行うこと。
一 税務代理
二 税務書類の作成
・社会保険労務士:労働及び社会保険に関する法令に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類を作成すること。申請書等について、その提出に関する手続を代わってすること。

 

■ Q12
NPO法人が土地・建物を取得する際に注意することはありますか?

■ A12
法人が税法上の収益事業を行っている場合に法人税の申告に際して法人所有であれば固定資産税、減価償却費が経費になります。 代表者が個人で取得し法人に賃貸すると賃借料が経費となります。 また行政や助成財団の福祉施設等の整備費補助金を利用する場合にその施設の所有権者に制限がある場合があることに注意を要します。
また代表者である理事が所有する不動産等を法人に賃貸する場合は、その契約はNPO法第17条の4に規定される「利益相反行為」に該当するので当事者である理事は賃貸契約等において法人の代表権を行使できません。この場合他の理事や監事が所轄庁に特別代理人の選任を請求しその特別代理人が法人を代表して契約行為を行わなければなりません。
< 参考>
NPO法 第17条の4
特定非営利活動法人と理事との利益が相反する事項については、理事は、代表権を有しない。この場合においては、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。

そのうえNPO法人自身が財産を所有することについて二つの大きなリスクがあることに留意しなければなりません。
ひとつはいわゆる「乗っ取り」の危険性があることです。会社に比べてNPO法人の場合、正会員になることに大きな対価を要することがないので、外部の人間が容易に多数派を形成できる可能性があります。
またもうひとつは、法人を解散する場合に残余財産を他のNPO法人や自治体に寄付しなければならないことです。このようにNPO法人自身が財産を所有することには慎重な検討を要します。

 


■ Q13
NPO法人が出資して会社をつくることは可能でしょうか? 

■ A13
NPO法人がその特定非営利活動に係る事業のために出資して会社を作ることは可能です。
ただし、その会社が行う事業が風俗事業であったり、投機的事業で出資者であるNPO 法人に損害を与える可能性がある場合は避けなければなりません。
また理事等の経営する会社の経営を援助する目的で、法人の目的とは何の関係もない事業をしている会社の増資を引き受けるという場合は、NPO法第3条第1項に違反することになります。

 

■ Q14
NPO法人が毎事業年度後に一回、所轄庁に提出する会計関連書類の確認ポイントはありますか?

■ A14
NPO 法人会計基準に基づく計算書類は、活動計算書、貸借対照表、財務諸表の注記、財産目録があります。
その上での注意点は以下です。
・「活動計算書」の「当期正味財産増減額」と「貸借対照表」の「当期正味財産増減額」が一致すること
・「活動計算書」の「次期繰越正味財産」と「貸借対照表」の「正味財産合計」が一致すること
・貸借対照表の「現金預金」は手持ち現金と預金通帳残高の合計額と同額になっていること
など。

詳しくは以下を参照ください。
https://www.NPOkaikeikijun.jp/wp-content/uploads/5e817845c3ac3df8402b397e3832a54b.pdf

 

■ Q15
NPO法人が、そのNPO法人の役員が経営する会社等と取引を行う場合の制限はありますか?

■ A15
NPO法人の役員のうちに会社等の経営者がおり、その会社等にNPO法人が業務を委託をする場合は、役員と法人の間の業務委託契約が「利益相反行為」にあたる可能性があります。その場合、総会(少なくとも理事会)において承認を得るべきでしょう。またその役員が理事長等の法人の代表権者である場合には、当該理事長等は、代表権を行使できず、代わって契約を締結する者を理事会等で特別代理人として選び、その選任を所轄庁に請求することを決議しなければなりません。
・法人の契約相手が、代表権者(個人)ではなくとも代表権者(個人)の親族等である場合も利益相反行為に該当する場合があります。
NPO法第17条の4
(利益相反行為)特定非営利活動法人と(代表権を持つ)理事との利益
が相反する事項については、理事は、代表権を有しない。この場合においては、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない

 

■ Q16
NPO法人会計基準における財務諸表の注記には、何を記入すれば良いですか?

■ A16
財務諸表の注記では、法人の会計に関する考え方や注釈を記します。活動計算書や貸借対照表と一体となって、より、詳しい情報を利用者に伝えるためのものです。どのような情報を伝えれば、より広く、より大きな支援を、いただけるかを考えながら、注記を作りましょう。
該当する項目がある場合は、記載義務のある以下の項目があります。
1.重要な会計方針
2.事業別損益の状況
3.施設の提供等の物的サービスの受入の内訳
4.活動の原価の算定にあたって必要なボランティアによる役務の提供の内訳
5.使途等が制約された寄付等の内訳
6.固定資産の増減内訳
7.借入金の増減内訳
8.役員及びその近親者との取引の内容

https://www.NPOkaikeikijun.jp/wp-content/uploads/d3b9d4e15f0fdae2dd628937432913d5-2.pdf

 

■ Q17
NPO法人が定款を変更する場合の届出と認証の違いについて教えてください。

■ A17
法人の目的や名称、所在地、役員・社員に関する事項など、定款を変更する際は、所轄庁の認証が必要な場合と、所轄庁への届出が必要な場合があります。
定款を変更する場合は、必ず社員総会で定款変更の議決が必要です。

<認証が必要な場合>
①目的
②名称
③行う特定非営利活動の種類、それに係る事業の種類
④主たる事務所・その他事務所の所在地(所轄庁の変更を伴うもの)
⑤社員の資格の得喪に関すること
⑥役員に関すること(定数に係るもの以外)
⑦会議に関すること
⑧その他の事業の種類、その事業に関すること
⑨解散に関すること(残余財産の帰属すべき者に係ること)
⑩定款の変更に関すること

<届出が必要な場合>
①事務所の所在地(所轄庁の変更を伴わないもの)
②役員の定数に関すること
③資産に関すること
④会計に関すること
⑤事業年度
⑥解散に関すること(残余財産の帰属すべき者に係るもの以外)
⑦公告の方法
⑧法第11条第1項各号にないこと 認証が必要な場合と届出だけでよい場合の違いは、変更された事項の効力の発生日が異なることです。認証が必要な事項の効力発生日は、認証のあった日です。届出で済む事項の効力の発生日は、総会の決議の日です。

 

■ Q18
登記事項証明書とは何ですか?

■ A18
NPO法人や会社等法人は、実体が無いためにその存在を証明するために登記という制度があります。設立の時点で設立の登記をすることで法人が成立した効果が生じます。登記は、主として法人と取引をする他者のために法人の存在と権利能力の範囲及び代表権者を公示するものです。取引の安全を図るためには、その登記事項の内容が実態と合っていなければなりません。ですから登記事項が変更されたのに登記することを怠っている場合には、過料という罰則が科されます。設立時において下記の事項を登記することが義務付けされています。
①目的及び業務
②名称
③事務所の所在地
④代表権を有する者の氏名、住所及び資格
⑤代表権の範囲又は制限に関する定めがあるときは、その定め
⑥存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由
またこれらの事項を変更した場合には、変更登記が必要です。※④の事項は、再任(重任)の場合にも登記しなければなりません。

 

■ Q19
NPO法人の活動が休眠状態にあるのですが、どうすれば良いでしょうか?

■ A19
休眠状態である場合、所轄庁の判断で認証の取り消しをされる場合があります。
役員の連座制により、設立の認証を取り消されたNPO法人の解散当時の役員は、役員の欠格事由に該当します。設立の認証を取り消された日から二年の間は、他のNPO法人の役員に就任できません。また現に他の法人の役員である場合には、辞任しなければなりません。
そのため、正しい手続きを行い解散するなど、法人にとってより方法を検討し対処しなければなりません。

 

■ Q20
社員総会の決議の省略とは、どのような場合に行うべきものでしょうか?

■ A20
NPO法人は、「毎年一回、通常社員総会を開かなければならない。」と法定されています。
社員総会の決議の省略によってこの通常社員総会開催の義務を果たしたことになるか否かは、難しい問題です。NPO法の趣旨から考えると直接役員から法人の運営についての説明を受け、社員が相互に協議する場としての総会は、欠くことのできないものです。そうであれば、社員総会の決議の省略を行うのは、災害発生時や感染症拡大時期並びに緊急事態発生時などに限定されるべきものでしょう。

NPO法第14条の9の第1項 
理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。)により同意の意思表示をしたときは、社員総会の決議があったものとみなす。同条第2項前項の規定により社員総会の目的である事項の全てについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該社員総会が終結したものとみなす。

 

■ Q21
NPO法人の総会には、出席者全員がひとつの会場に集合しなければならないのでしょうか?

■ A21
必ずしも出席者全員が一つの会場に集合する必要はなく、複数の会場でテレビ会議システム等を使って開催することは可能です。
ただし、出席者全員に発言ができること、及びその発言が即時に他の会場の出席者にも伝わること(情報伝達の双方向性及び即時性)を保証しなければなりません。

 

■ Q22
NPO法人の総会を代議員のみの出席で開催することは可能でしょうか?

■ A22
社員総会において発言する権利や議決する権利を社員(正会員)から奪うことはできないので、代議員のみの出席では社員総会とは言えません。
ただし支部等の社員全員が委任状をもって支部の代表社員に議決権を委任することは可能です。

 

■ Q23
WEBツールを使用したNPO法人の総会などの開催時の議事録作成方法を教えてください。

■ A23
議事録の記載方法で、Zoom等のアプリを使った場合の議事録作成は可能です。
Web会議も場所の記載が必要で、理事長がその時いた場所等を記載します。また、会議ができる環境であったこと等を記載しておきます。

例)令和3年度 特定非営利活動法人〇〇総会議事録 

当法人の事務所において、インターネット回線及びWeb会議システムを用いて、総会を開催した。 
1.開催場所 
〇〇市〇〇町〇番地 当法人事務所
2.開催日時 
Web会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることが確認され、議案の審議に入った。

 

■ Q24
NPO法人の代表権を理事長など特定の理事に制限するのはなぜですか?

■ A24
法人の代表権とは、法人が第三者と契約等の法律行為を行う場合に法人を代表して契約行為を行える権限のことです。つまり代表権のない者が第三者と契約をしてもその契約は法人の行為として認められないということです。NPO法では原則として理事全員が単独で法人の代表権を持っていると規定しています。
ただ、このままでは複数の理事のうちの一人が勝手に第三者と契約した場合にも法人は責任を負わなくてはならず、トラブルの元になるので、多くの法人は定款に「理事長は、この法人を代表し・・・」という規定を置き、代表権者を特定の理事に制限しています。
このことによって理事長以外の理事が勝手に第三者と契約した場合は、法人は契約の履行責任(代金の支払い等)を負わなくて済みます。

 

■ Q25
NPO法人の理事の改選において、事務局長が役員となることに問題はないでしょうか?

■ A25
理事と事務局職員を兼任することに問題はありません。しかし、監事と事務局職員を兼任することはできません。
また、事務局職員が理事に就任した場合には法人からその者に支給する報酬には注意を要します。具体的には、支給する報酬の性格が職員給与であるのか役員報酬であるのかを明確にしておく必要があり、職員給与は定められた職員給与規定に基づく金額であることを要し、役員報酬を支給する場合はNPO法や定款で定められた役員総数の3分の1以内の規定に抵触することのないようにします。

 

■ Q26
NPO法人の総会前に役員の任期が切れてしまう場合、どのような対処をすべきでしょうか?

■ A26
定款に以下の規定がある法人の場合は同規定が適用されるので特に対処は不要です。
「前項の規定にかかわらず、後任の役員が選任されていない場合には任期末日後最初の総会が終結するまでその任期を伸長する。」
この規定がない法人の場合は、NPO法第十七条の三の規定により、所轄庁に仮理事の選任を請求しなければなりません。
< 参考 >
NPO法第十七条の三
理事が欠けた場合において、業務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、仮理事を選任しなければならない。

なお、理事会において役員を選任するNPO法人の場合は、定款に任期の伸長規定を置くことはできません。

 

■ Q27
定款に「役員は、辞任又は任期満了後においても、後任者が就任するまでは、その職務を行わなければならない」という規定がある場合、後任役員が就任されるまでは、辞任できないのでしょうか?

■ A27
役員は原則として一方的に辞任の意思表示をすれば総会や理事会の承認等を要せず辞任できます。
上記設問の定款の規定は、辞任または任期満了した元役員がその職務を行わなければならない場合を「役員が存在しないために法人に損害が生じるなど急迫の事情がある場合」に限ると解釈することが妥当です。
多数の役員がいて、そのうち1人が辞任または任期満了によって退任しても「急迫の事情」が生じない場合、退任した役員が従来通り役員の職務を行う必要はありません。

 

■ Q28
NPO法人の理事の任期と再任について把握しておらず、4期分の理事再任について手続きしていませんでした。どのように対処すればよいでしょうか?

■ A28
役員の任期中に後任を選任せずに任期満了した場合は、法人の役員が不在となります。不在となった場合は、所轄庁によって仮理事を選任しなければならならず、手続きは煩雑となります。
このケースの場合は、経緯等を正直に法務局に話し、相談した方が良いかと思われます。
任期満了手続きをせずに放置したり、登記申請手続きを怠った場合には、20万円以下の過料の罰則がありますのでご注意ください。

 

■ Q29
NPO法人の理事長が任期中に辞任することはできますか?

■ A29
役員が任期途中で辞任することは自由です。
しかし、辞任の時期が法人にとって不利益や損害をもたらす場合は、辞任した役員に責任が生じます。

 

■ Q30
NPO法人が認定または特例認定を受けた場合に、法人の名称変更は必要ですか?

■ A30
認定(特例認定)を受けた後、法人の名称を「特定非営利活動法人○○」から「認定(特例認定)特定非営利活動法人○○」へと変更する場合には総会に於いて定款変更を決議し、所轄庁への定款変更の認証申請を行い、認証書到達後に法務局に名称変更の登記を行います。
その他税務署や県税事務所、労働基準監督署等に変更を届け出る必要があります。
ここで注意すべきは、認定(特例認定)特定非営利活動法人でない者が認定(特例認定)特定非営利活動法人を名乗ることは禁止されているので(NPO法第50条)、認定を辞退したり、継続する際の認定申請を怠ったりして認定(特例認定)特定非営利活動法人ではなくなった場合にも、早急に上記の名称変更と同様の手続きを取って旧名称に戻らねばNPO法違反となります。
このことから定款での名称変更は慎重であるべきでしょう。

 

■ Q31
認定NPO法人になるための条件はありますか?また、どのような流れになりますか?

■ A31
認定NPOになるためには、収入の内寄付金収入の占める割合が5分の1以上であることや3000円以上の寄付者が年間平均100人以上いること等のパブリックサポートテストをクリアする必要があります。さらに、法律違反がないことと、運営組織や経理が適切であることや、情報公開が適切に行われているかなど、さまざまな要件を満たす必要があります。

認定NPO法人になるための手続きの流れは以下の通りです。
①所轄庁(島根県)へ事前相談
②所轄庁へ認定申請
③所轄庁による実態確認
④認定 ※標準処理期間は、6か月が目安(所轄庁による)

 

■ Q32
認定NPO法人の税制優遇とはどのようなものですか?

■ A32
個人や企業がNPO法人に寄付をしても、税制上の優遇措置はありません。しかし認定NPO法人となった団体に寄付をすると、次のような税優遇があります。
(1)個人が寄付した場合、一定限度内で寄付金額に応じた所得控除もしくは税額控除が得られる。
(2)企業が寄付した場合、一定限度内で寄付金額に応じた損金算入(経費処理)が認められる。
(3)個人が相続財産を寄付した場合、その寄付分が課税対象外になる。
(4)当該認定NPO法人がその収益事業所得を非収益事業に充てた場合(みなし寄付という)、一定限度内でその金額に応じた損金算入が認められる。

 

■ Q33
NPO法人が解散する時、どのような手続きが発生しますか?

■ A33
NPO法人の解散事由はNPO 法第31条に下記のように定められています。
1. 社員総会の決議
2 .定款で定めた解散事由の発生
3 .目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
4 .社員の欠乏
5 .合併
6 .破産
7 .第43条の規定による設立の認証の取り消し
社員の欠乏、合併、破産、認証取り消しはそれぞれ特別の手続きを要するので、ここでは総会の決議、解散事由の発生、事業の成功の不能に共通する手続きについて説明し、以下に詳細を記します。

1 .解散及び清算人の登記
解散事由が確定した後、最初に行う手続きは「解散及び清算人の登記」です。解散後理事という役職は消滅し、法人を代表し清算事務を行う役員は清算人となります。定款に別段の定めがあるときまた社員総会において理事以外の者を選任したとき以外は、原則として解散時の代表権を持つ理事が清算人となります。解散時より二週間以内に、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局において、解散及び清算人の登記を行います。

2 .所轄庁への解散の届出
清算人は、登記完了後、解散を証明する登記事項証明書を添付して解散の届出を所轄庁に提出しなければなりません。

3 .官報の広告及び債務の弁済、債権の取り立て清算人は知れない債権者に対して官報において二ヶ月の期間内に法人に対する債権の申出をすべき旨の催告をしなければなりません。定款に於いて他の方法での公告を規定している場合はその公告もおこなう必要があります。知れたる債権者に対しては各別に債権の
申出の催告をしなければなりません。申し出た債権者及び知れたる債権者に対して債務の弁済を行い、未回収の債権があれば取り立てを行い、残余財産を確定させます。二ヶ月の催告期間終了後、残余財産があれば定款に定めた者に譲渡し、定款に残余財産の帰属すべき者に関する規定がないときは、清算人は、所轄庁の認証を得て、その財産を国又は地方公共団体に譲渡することができます。

4 .清算結了の登記
清算人は清算事務報告書を作成して監事の監査を受け、会員に清算事務の結了を報告します。また法務局において、解散結了の登記をし、登記完了後清算結了を証明する登記事項証明書を添付して清算結了届出書を所轄庁に提出しなければなりません。

5 .その他の報告、届出等
・税法上の収益事業を行っている法人は税務署及び県税事務所、市町村の税務課へ、その他の法人は県税事務所、市町村の税務課へ解散の報告、届出を行います。
・職員を雇用している法人は税務署に対して「給与支払事務所等の廃止届」をおこないます。また労働基準監督署、公共職業安定所及び社会保険事務所への報告、届出等も行います。

以上をもって解散に伴う手続きは完了します。

 

■ Q34
NPO法人の解散時に財産を譲渡できる先はどこですか?

■ A34
NPO法に記載のある帰属先は、特定非営利活動法人(NPO法人)、国または地方公共団体、公益社団法人または公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人となります。
残余財産の帰属先は、あらかじめ定款で定めておくか、具体的に決めず、「(解散)社員総会において選定した者」あるいは「(解散)社員総会において、正会員総数の〇分の〇以上の議決を経て選定した者」等と解散時に決める旨を定めることができます。